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離婚したら住宅ローンの連帯保証人から外れられるの?
任意売却の相談をお受けする中で離婚が絡むケースは非常に多く、その中でもよく聞かれる質問が「離婚をしたら、連帯保証人から外れることはできるのか?」というものです。 よくあるケースとしては、離婚をする上で奥様とお子様が家から引越しをするので奥様がなっている連帯保証人から外れたいというものです。 もちろん、その逆のパターンもあるでしょう。 こういった場合、連帯保証人から外れることは可能なのでしょうか? 結論から申し上げると、連帯保証人から外れるのは非常に困難です。 では、どういった理由で困難なのか、このような場合どうするのが良いのか。 今回は離婚に伴う連帯保証人について解説します。 ・そもそも、連帯保証人とは? 主債務者(契約者本人)がローンの返済ができなくなった際に、代わりに返済するという契約を金融機関と交わした方、これが保証人です。 そして、連帯保証人は法律上、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」を持たない保証人のことを指します。 「催告の抗弁権」とは、債権者が保証人に支払うよう請求した際に、保証人は自分よりまず主債務者本人に請求するよう主張できる権利です。 しかし、連帯保証人は「催告の抗弁権」を持たないので、主債務者より先に支払うよう請求されたとしても、拒否することができません。 「検索の抗弁権」とは、債権者が保証人に対して支払いを求めた際に、自分よりも先に主債務者本人の財産をまずは差し押さえるよう主張できる権利のことです。 しかし、連帯保証人は主債務者より先に自身の資産が債権者に差押えられたとしても、それを拒むことはできないのです。 「分別の利益」とは、主債務者に代わって複数の保証人が存在する場合、それぞれの保証人は、その人数で割った分だけの金額を支払えばよいとされる権利です。 例えば、AとBの2人の保証人がいる場合、Aは自分の負担分だけを支払えばよく、Bが支払わなかったとしてもAには関係ないのです。 しかし、連帯保証人に分別の利益はないので、主債務者と同様に全額を支払う義務があります。 仮に連帯保証人が何人いたとしても、それぞれが借金の全額を返済する義務を負うのです。 このように保証人とは違い、連帯保証人は3つの権利がないことで主債務者本人と同様の返済義務を負うことになり、いわば主債務者と運命共同体とでも言えるでしょう。 ・どうして連帯保証人から外れられないのか まず、連帯保証人になるという契約は主債務者と間で交わしているものではなく、銀行との間で交わしているものという認識が必要となります。 住宅ローンの連帯保証契約は、主たる債務者が住宅ローンを払えなくなった際に、連帯してその債務を支払う義務を負う契約です。 この契約は、あくまでもローンを貸す「銀行」と「連帯保証人」との契約であり、主たる債務者との契約ではありません。 つまり、離婚をするからと言っても銀行にしてみれば関係のない話で、連帯保証契約はそのまま有効であり続けるのです。 主債務者が払えなくなった際に代わりに支払ってくれる連帯保証人を無条件で外すというのは銀行にとってみれば何のメリットもないので、無条件で連帯保証人から外れるということはあり得ないのです。 唯一、連帯保証人から外れられる方法があるとすれば、代わりに連帯保証人になってくれる方を見つけるというものがあります。 しかし、この方法は現実的ではありません。 なぜなら、そもそも自分が住むわけでもない家の無関係な住宅ローンの連帯保証人になる方が見つかることがほとんどないからです。 また、仮に見つかったとしても銀行の承諾が当然必要になります。 連帯保証人となり得る収入や返済能力の審査があり、銀行が承諾すれば代わりに連帯保証人となってもらえますが、かなりハードルは高いでしょう。 ・離婚後に主債務者が住宅ローンを払えなくなったら もし、離婚後に主債務者が住宅ローンを払わなくなってしまうと、当然ながら連帯保証人に請求が来てしまいます。 前述の通り、離婚していても銀行には関係なく連帯保証人である限り請求を免れることはできません。 そしてそのまま支払えずにいた場合どうなるのでしょうか。 ・個人信用情報に傷が付く(ブラックになる) 主債務者が返済できず、連帯保証人に請求が来た場合は当然返済義務がありますが、もし返済ができなかった場合は主債務者と共に、連帯保証人も個人信用情報に傷が付いてしまします。そのローンの支払いができないと返済遅延で前のご主人と一緒に信用情報に傷が入ります。(いわゆるブラックリストに載る、という状態です) ・家が競売で強制的に安価で売られてしまい、多くの残債が残る 主債務者、連帯保証人ともにローンの返済をしないままにすると、最終的に金融機関は裁判所に競売の申し立てをし、競売の手続きが開始されてしまいます。 引越しする家が売られるのであれば問題はないかと考えがちですが、競売には多くのリスクが潜んでいます。 競売は基本的に実際の市場価格の6~7割程度で売られることが多いため、競売の後も住宅ローンが残ってしまう可能性があるのです。 住宅ローンが残ってしまうと、当然金融機関からは主債務者と共に連帯保証人にも支払うよう督促してきます。 しかも、原則残ったローンを一括で支払うよう督促してくるのです。 給料や資産が差し押さえられる可能性も 競売になった後、住宅ローンがそれでも残ってしまった場合、残債は一括で返済するように主債務者と連帯保証人に対して請求が来ますが、一括で払えるはずなどありません。 そのまま支払えずにいると、最悪の場合給料の差押や資産がある場合はその資産が差し押さえられる可能性もあります。 このように、離婚と共に引越しをするから自身には関係ないと思っていても、連帯保証人になっている限り返済義務からは逃れられません。 きちんと離婚をする段階で話し合って対策を立てておく必要があります。 ・離婚時に連帯保証人になっている場合の対策 離婚をする際に連帯保証人になっている場合、そのままの状態で仮に引越しをし、主債務者と連絡すら付かなくなってしまうと、突然金融機関から督促の通知が届くことすらあり得ます。 また主債務者と連絡も取れなければ手の打ちようがありません。 そうはならないためにも、離婚をする段階できっちりと対策をしておく必要があります。 ・住宅ローンの返済条件を公正証書にする 離婚時に口約束で「住宅ローンは今後どっちが支払う」といったことを決めているご夫婦がありますが、これはトラブルの元です。 この条件をきっちりと公正証書にしておけば、将来約束が守られなかった場合に相手の資産等をすぐに差し押さえることが出来るのです。 例えば、離婚後は家に住み続ける夫が住宅ローンも返済するという内容の公正証書を作成しておけば、将来、約束が守られずに金融機関から督促等が届いた際に、夫の給料や資産を差し押さえることが出来るようになるのです。 ただし、差し押さえようと思っても差し押さえる資産がなければなんの意味もありません。 結局金融機関は主債務者、連帯保証人の双方に支払うよう督促し、その後競売をすることになるのです。 ・住宅ローンの借換えを検討する 例えば主債務者が夫、連帯保証人が妻の場合、離婚をする際に住宅ローンの借換えを行い、夫の単独での借り入れにしてしまうということが出来るなら、将来のトラブルにはなりません。 しかし、この方法も新たに借り入れをする銀行の審査が必要となり、なかなかハードルは高い方法と言えるでしょう。 ・家を売却する 離婚時は、せっかく購入した家なのでどちらかがそのまま家に住み続ける、という選択を取ることが多いですが、共有名義であったり、今回解説しているような連帯保証人になっていたりした場合、かなりの確率で将来トラブルになります。 そもそもどちらかが出ていった後、一人で住むには家が広すぎるということもありますし、今まで夫婦で協力して返済していた住宅ローンを突然一人で返済していくとなっても、どこかで躓いてしまう方が非常に多いのです。 そうなる前に離婚をするタイミングで売却をするというのが将来トラブルにならないためにも一番良いのではないでしょうか。 売却をして住宅ローンが全額返済できればそれでいいですし、手元に残った資金は財産分与の対象となり夫婦で話し合って分けることになるでしょう。 もし、売却しても全額返済できない場合は「任意売却」を検討する必要があります。 ※「任意売却」についてはこちらの記事をご参照ください。 まとめ 離婚はそれだけでもかなりの時間と労力を要します。 そこに住宅ローンの問題も重なってくるとどうすれば良いのか分からなくなってしまう方も多いはずです。 しかし、そのままにしておくと後になって取り返しのつかないトラブルにも発展しかねません。 離婚と連帯保証人の問題は必ず専門家に相談しながらどのように進めるのが最善なのかを慎重に見極める必要があります。 当社では離婚や連帯保証人の問題も含め多くのトラブルを抱えた方の相談を解決してきました。 弁護士や司法書士等の士業の方とも連携しており、ワンストップで相談が可能です。 大阪、和歌山、奈良、兵庫で離婚や連帯保証人の問題でお悩みなら当社までご相談ください。きっと力になれるはずです。
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任意売却のデメリットを詳しく解説
任意売却を選択される方にとって、競売にならずに高値で売却することができ、引越し費用を残せるかもしれない等、そのメリットについてはよく目にすることがありますが、任意売却のデメリットについてもきちんと知っておいていただきたいところですのでここで紹介します。 もちろん、このデメリットは競売になってしまった際にも伴うものですので、やはり任意売却を選択されるほうが競売になってしまうよりはるかにメリットは多いです。 1.個人信用情報(ブラックリスト)への影響 任意売却を選択する場合、ほとんどのケースで住宅ローンの滞納が発生しています。この滞納情報は信用情報機関に「異動情報」として登録され、いわゆるブラックリスト入りとなります。これにより、今後5~7年間は新たなローンの借入やクレジットカードの作成ができなくなり、現在所有しているクレジットカードの利用が停止される可能性もあります。 なお、「任意売却そのもの」が信用情報に傷をつけるのではなく、あくまで「住宅ローンの滞納」が原因です。任意売却後も残債の支払いが困難で自己破産に至った場合は、さらに官報情報として登録され、7~10年程度は金融取引に大きな制限がかかります。 2.競売へ移行するリスク 任意売却は、債権者(金融機関など)の同意を得て進める必要があります。販売価格が市場価値と乖離していたり、買い手が見つからなかったりした場合、一定期間(通常3~6か月)を過ぎると債権者が競売へ切り替えることがあります。競売が開始されると、インターネットや新聞に物件情報が公開され、プライバシーの観点でも不安が生じます。 また、競売開始後も開札前であれば任意売却が可能な場合もありますが、時間との勝負になるため、実績のある専門家への早めの相談が重要です。 3.多数の関係者の同意が必要 住宅ローンの借入先が複数ある場合や、税金滞納による差押え、所有名義が共有名義の場合、連帯債務者や連帯保証人がいる場合など、関係者全員の同意が必要です。誰か一人でも同意しなければ任意売却は進められません。この調整には時間と労力がかかり、精神的な負担も大きくなります。 4.任意売却後も残債務の支払い義務が残る 任意売却によって競売より高値で売却できても、住宅ローンの残債が全額返済できるとは限りません。残った債務は、自己破産など法的手続きをしない限り、引き続き返済義務が残ります。ただし、債権者との話し合いによって、無理のない返済計画を立てることができる場合もあります。 5.手間や精神的負担が大きい 任意売却は、債権者や不動産会社との交渉、関係者への連絡、売買契約など、多くの手続きや調整が必要です。特に、家族や共同名義人、連帯保証人と連絡を取る必要がある場合、精神的なストレスや負担が増します。 6.売却金が手元に残らないケースが多い 任意売却で得た売却金は、原則として住宅ローンの返済に全額充てられます。引越し費用などを債権者に認めてもらえれば一部受け取れることもありますが、基本的には自由に使えるお金が残らないことがほとんどです。 7.任意売却に対応できる不動産会社が限られる 任意売却は専門的な知識と経験が必要なため、どの不動産会社でも対応できるわけではありません。実績のある業者選びが重要となります。 それでも任意売却を選ぶ意義 任意売却には上記のようなデメリットがありますが、競売と比べると「市場価格に近い金額で売却できる」「プライバシーが守られる」「引越し費用の捻出や柔軟な引渡し時期の調整が可能」など、メリットも多く存在します。精神的な負担や社会的信用の失墜を最小限に抑え、今後の生活再建に向けた一歩を踏み出すためにも、早めに専門家へ相談することが重要です。悩みを一人で抱え込まず、まずは気軽に相談してみてください。
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任意売却とリースバックの組み合わせは可能?
月々の住宅ローンの返済ができなくなった際に、家の売却をしようと思っても家の売却代金が住宅ローンの残債より低い場合、本来であれば不足分を一括で支払わなければ金融機関は抵当権の抹消に応じてくれません。 つまり家の売却はできないのです。 月々の返済はできず、売却しようと思っても売却もできないのでそのまま月々の返済が滞ってしまい、最終的には裁判所による競売で強制的に安く売られてしまいます。 競売になってしまう前に、金融機関と交渉をし、残債以下での売却の承諾を取り付けて競売を回避することが出来る「任意売却」。 ※「任意売却」についての詳細はこちらの記事を参照ください。 任意売却を選択することによって、競売は回避できますしその他あらゆる面でメリットが多くあるのですが、家を売却することになるので引越しが必要になります。 しかし今まで愛着を持って住み続けてきたご自宅。 お子様の学校の事情や様々な理由でできるならば引越しを避けたいと考える方は多いはずです。 ではここで、任意売却で売却することになった自宅にリースバックを利用してそのまま住み続けることは可能なのでしょうか。 ・そもそもリースバックとは? リースバックとは自宅を不動産業者や投資家に一度売却したうえで賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら引き続き住み続けることができるというものです。 【リースバックの流れの図】 リースバックで業者や投資家が購入する際には、物件の市場価格の70~80%とやや低めの金額で購入することが一般的です。 仮に市場価格通りで購入するのならば、その分家賃の設定金額が非常に高額になってしまうこともあります。 ・任意売却とリースバックを組み合わせる? 任意売却をする場合、売却金額に関しての決定権は金融機関にあります。 いくら以上で売却しなければ任意売却には応じずに競売にする。 と判断されてしまうので、あくまでも金融機関側が指示してきた金額で販売しなければなりません。 当然、金融機関は少しでも多く回収したいので安く売ることに関しては同意してくれることがないのです。 一方でリースバックは前述の通り購入者である業者や投資家は市場価格より安くないとリスクを許容しきれないので市場価格で購入するケースはあまりないのです。 このように任意売却では市場価格で売却する必要があり、リースバックは市場価格より若干安く売却することになる為、任意売却とリースバックを組み合わせた場合売買代金の折り合いがつかず不成立となる可能性が高いのです。 もちろん、これは一概に言えるものではなく、中には金額の折り合いがうまく付き成立するケースもありますし、そもそも査定をしてみたら住宅ローンの残債より高く売却ができるケースもあります。 ・まとめ 住宅ローンの返済が困難になった場合、競売ではなく任意売却を選択する方がメリットは多く様々な負担が軽減されます。 さらにリースバックを利用してそのまま家賃を支払いながら住み続けられれば引越しが不要となり今まで通り住み続けることが出来るのです。 しかしそのためには金額が折り合うかどうかを慎重に見極める必要があると言えるでしょう。 当社では任意売却とリースバックのどちらも多くの実績があり、これらを組み合わせて成立させることができたケースもございます。 まずはご相談いただきましたらすぐに駆け付けます。 お気軽にご連絡お待ちしております。
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任意売却後の残債はどうなるの?
任意売却の相談を受ける中で、ほぼ全員の方が不安に思っておられるのが、任意売却後の住宅ローンはどうなるのか、というものです。 自宅を売却してもまだ借入が残ってしまう任意売却では残債の支払い義務は自己破産をし、免責となった場合以外は残るのですが、もちろん、今まで支払ってきた住宅ローンの月額を支払うことなんてできるはずがありません。 そもそもその支払いができないからこそ任意売却を選択しているわけですから。 これは債権者も十分に承知しているので、無理に支払わそうとしてくることはありません。 では、どうなるのか? 結論から言うと、任意売却後の残債に関しては、金融機関に対し「毎月支払い可能な金額を弁済」することになります。 金融機関によって対応は異なりますが、基本的には任意売却後、金融機関に対し現状の収支の状況を大まかに伝えていただき、その中で毎月無理のない範囲で支払える金額を提示することになります。 中には「生活状況報告書」といったようなA4の用紙1枚分の簡単な家計簿のようなものの提出を求める金融機関もあります。 生活状況は皆さん様々ですので一概には言えませんが、よくあるケースとしては月々5千円~2万円を支払っていくというケースが比率としては高いです。 このようにして金融機関と毎月の金額についての支払い金額を決め、それを毎月支払っていくというのが任意売却後の残債の流れとなります。 しかし、この流れには実は続きがあります。 無理のない範囲とはいっても毎月残債についての支払いをしていくことは大きな負担となりかねませんが、債権者、つまり金融機関側としてみても任意売却後のもはや無担保の貸付、なおかつ、毎月入ってくる金額も少しずつとなるとそのような債権は早期に手放してしまいたいと考えるようになるのです。 ではどのようにして手放すのか。 それは他の債権回収会社にその債権を売却してしまうのです。 これを債権譲渡というのですが、ここが大きなポイントで、債権を買う側にしてみれば、そのまま残債の金額で購入するはずがありません、無担保で毎月支払ってもらえる額もわずかなのですから。 債権譲渡では残債の額の2%や5%といった金額で債権を買い取っているのです。 例えば任意売却後に1,000万円の残債があった場合、その残債が20万円~50万円程で新たな債権回収会社に売却されることになります。 債権を買い取った新たな債権者はその債権額に利益を上乗せして回収することになりますが、上の例の場合20万円~50万円ほどで買い取っているわけですから、例えば100万円も回収できればかなりの利益となります。 このようにして1,000万円回収する権利はあるけれども100万円支払っていただければ債権は放棄します。といった流れになるのです。 債権譲渡に関してはどのタイミングで行われるかは債権者次第ですし、金融機関によっては債権譲渡を行わない場合もありますが、ほとんどのケースでは上記のような流れで任意売却後の残債は処理されています。 当社では任意売却後の残債についても金融機関等から通知が来た方に対して適切なアドバイスを随時いたします。 また、任意売却後の残債やその他の借入が多く、さらなる対応が必要な場合には弁護士や司法書士と連携し最後までフォローいたします。
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離婚時の自宅の売却について
今や3組に1組は離婚をするといわれている時代。 実は離婚と任意売却は切っても切れない関係なのです。 事実、任意売却で当社にご相談に来られる方の約30%は離婚に伴う自宅の売却に関してなのです。 離婚を考えている方や実際に離婚をされた方の中には、 ・離婚後の住宅ローンは誰が払うのか?できれば相手に支払わせたい ・ローンは相手が支払い、家の名義は自分にしたい ・連帯保証人を外れたい ・相手が支払うと言っていたにも関わらず、銀行から督促状が届いた 等の様々な疑問や予期せぬ問題が発生していることが多くあります。 このような状況になった場合、どのようにすれば良いのでしょうか。 今回は離婚と任意売却について解説いたします。 住宅ローンが残っていない場合 まず離婚をする際に住宅ローンが残っていない場合は、その家にどちらかが住み続けるのか、それとも売却して売却代金をどのように分けるのか等、よく話し合って決める必要があります。 二人で話しても決まらない場合は弁護士に依頼をし、調停で取り決めることになります。 住宅ローンが残っている場合 離婚をする際に住宅ローンが残っている場合は、大きく分ければ ・家を売却する ・どちらかが住み続ける のどちらかになりますが、いくつか注意点があります。 家を売却する場合 家を売却し、お互いが新たな場所で生活をするケースですが、家の売却代金で住宅ローンの残債を全額返済できる場合は特に大きな問題はありません。 全額返済し、手元に残った資金をどのように分けるかを話し合うだけでよくなります。 しかし、家を売却しても住宅ローンを全額返済できない場合(いわゆるオーバーローンの状態)は一筋縄ではいきません。 そもそもローンを全額返済できないのであれば本来は家を売却することができません。 任意売却を選択する必要が出てきます。 任意売却の詳しい解説はこの記事では省略しますが、金融機関に対し住宅ローンの残債を下回る金額で家を売却する同意を得た上で、売却後の残債も毎月一定の金額を支払い続ける必要があります。 任意売却を選択する場合は、ローンを借入している債務者とその連帯保証人も個人情報に傷が付く、いわゆるブラックになるという状態は避けられません。 一定の期間が経過しても任意売却ができなければ競売になってしまう等、任意売却には通常の売却よりも多くのデメリットが伴いますので、内容をよく理解したうえで選択する必要があるといえます。 当社では離婚に伴う任意売却も豊富な経験があるので、相談だけでも構いません、気軽にご相談ください。 どちらかが住み続ける場合 どちらかが住み続ける場合、家の名義人でありローンの債務者の方がそのまま住み続けるのならば、その方が引き続きローンを支払いながら住み続ければ特に問題はありません。 しかし、ローンの債務者でない方が住み続け、債務者である方が引越しをしてしまうと銀行から最悪の場合ローンの残債を全額一括で返済するよう求められる場合があります。 というのも、本来住宅ローンとは金融機関が、借り入れた方が自宅として居住するということを条件に非常に低金利で融資をしてくれているのです。 その借り入れた本人が引越しをしてしまうと金融機関としては契約違反と判断することになり最悪の場合は一括で返済を迫ることになるのです。 このようなことを防ぐためにも事前に金融機関に確認する必要があります。 次に、債務者本人が住み続けたとしても、家を出た側が「連帯債務者」や「連帯保証人」になっていた場合、その責任を免れることはできません。 「家を出るから連帯保証人を外れたい」 「離婚したから連帯債務者から外れたい」 こういった相談をよく聞きますが、 ・新たな保証人をつける ・一部まとまった金額を返済する などの方法で金融機関の承諾があれば認められるケースはありますが、あまり現実的に可能なケースが少ないのです。 連帯債務者や連帯保証人の状態をそのままにしておくと、家に住み続け、ローンを支払い続けているはずの方が何かしらの理由でローンを滞納してしまった際に突如として金融機関から督促や催促の連絡がくることになるのです。 その頃にはお互い連絡を取ることもできず、どうすることもできなくなってしまうことすらあり得るのです。 よくあるケースとして、妻が子供と一緒にその家に住み続け、引っ越しをした夫が養育費の代わりに住宅ローンを支払っていくというケースです。 離婚後、夫側は今までもらえていた各種手当等がなくなったり、今までの生活リズムが崩れ支出が増えたりしがちです。 さらには新たなパートナーを見つける可能性だってあります。 そのような変化の中で自分が住んでいない家のローンの負担ができず返済を滞納してしまうことは多くあるのです。 ある日突然、金融機関からの督促状や催告書が届く、裁判所から競売の通知が届く、知らないうちに家が売りに出されていて引越しを迫られたりする。といったこともあり得るのです。 このような事態を避けるため、離婚のタイミングで住み続ける側の、今後も支払い続けるという言葉を鵜吞みにせず、やはり売却を選択し、全てをリセットしておく方が後々のトラブルは発生しづらいと言えます。 このように離婚の際は離婚そのものだけでも多くの時間と労力と精神力を使うのですが、さらに家の問題も多くの場合伴ってきます。 面倒くさい、よく分からないという理由で何もしなければ後々大きなトラブルとなって襲い掛かってくるものですので前もって専門家に相談し、どのようにするのがベストなのかを理解しておく必要があります。 当社では大阪、和歌山、奈良、兵庫を中心に離婚に伴う任意売却の相談を多く受けてきた実績がございます。 任意売却だけでなく、財産分与や離婚調停に関しても提携の弁護士がおりますので、まずはご相談ください。 きっと力になれるはずです。
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本当は一番怖い⁉ 税金の滞納
病気や失業、様々な理由で住宅ローンの支払いが困難になって任意売却を検討する方は、月々の出費を切り詰め何とかやりくりをしながら生活を送っています。 当然、生活を送っていく上では税金の支払いもあります。 住民税や固定資産税に都市計画税、自動車税など、日々の暮らしの中で納める税金は多岐にわたり金額も大きなものとなっています。 多くの方が役所よりも銀行の方がどこか怖いイメージを持っているようで、住宅ローンは何とか支払っているが、税金は滞納してしまっているという状態になってしまいがちです。 しかし、実はこれは大きな間違いなのです。 住宅ローンと税金であれば支払うべき優先順位は税金の方が圧倒的に高いのです。 その理由をここでは説明いたします。 まず、住宅ローンが支払えなくなった場合は任意売却をした後に残債が残ったとしても、金融機関と交渉の末、毎月1万円等の分割での弁済が認められ、もしその支払いすら行き詰ったとしても自己破産をし、免責となれば支払い義務は免れます。 また、住宅ローンの債務に関しては、家は差し押さえられますが、給料やその他の資産まで差し押さえられることはかなり稀です。 しかし税金の滞納の場合、仮に自己破産をして免責となった場合でも税金の支払い義務は残ります。 つまり税金の支払いを免れることはできないのです。 また、近年は多くの地方自治体が地方税の回収に関して「地方税回収機構」や「地方税滞納整理機構」といった税金の回収を専門に扱う機関を設立し、回収が困難な地方税の徴税業務を移管しています。 この地方税回収機構はその取り立ての厳しさが度々話題に取り上げられるほどのもので、 ・家や会社にもやってきて差押えられるものは容赦なく差押える ・自身の物だけでなく、同居している家族の物でも差し押さえられる 等 通常の金融機関では考えられないことも容赦なく行ってきます。 当然、給料も差し押さえられるので、こうなってしまっては普通の生活を送るのすら厳しくなってしまったという方も多く存在します。 せっかく購入したマイホーム。 何とか残したいという思いで、住宅ローンは払いながらも税金を滞納してしまうと結果として家を手放すだけでなくもっと苦しむことになってしまいます。 住宅ローンよりも税金の優先順位は上 ということを肝に銘じた上で、もし支払いが厳しくなってしまった場合はすぐにご相談ください。 当社では大阪だけでなく和歌山や奈良、兵庫の各市区町村で税金の差押の入った不動産の任意売却を成功させてきた実績がございます。
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